『えんまさん』作品詳細

立命館大学映像学部 / 2022 / 75min.
監督:鈴木智貴(SUZUKI Tomoki)

上映スケジュール:<Aプログラム> 8月20日(土)15:30〜

救世主か、それとも悪魔か

「私にとってこの世界は、何もかもまがい物の世界なんです」鏡を見ると相手の隠し事・嘘を文字として浮かび上がらせる力を持っている高校2年生、倉田廻麻。力を手にしてからというもの極度な人間不信となってしまった彼女は、ある日嘘をついた事が無い少女、正羅と出会う。正羅との交流を通して廻麻は少しずつ心を開いていくが…。

【キャスト】愛恵、西村風音、長野雄海、竹田菜々華、荻野樹、こしまともみ、猪野又健、内田竜次、菊地諒、仲野瑠花
【スタッフ】プロデューサー:木下実音 / 撮影:鈴木智貴 / 照明:藤井大希 / 録音:上野祥 / 助監督:宮崎優斗 / 美術:岡田悠子 / 衣装:上田知恵里 / ヘアメイク:神田綾乃

監督:鈴木智貴(Suzuki Tomoki)

監督プロフィール
1999年大分県生まれ。高校の放送部で映像制作の楽しさに触れ、立命館大学映像学部卒業。 大学では短編作品やMVを中心として実写映像を専攻すると共に、タイポグラフィやグラフィックデザインにのめり込む。長編作品は今作が初となる。音楽ゲームやボーカロイドが好き。
フィルモグラフィー
『争奪戦』(2018・短編作品・監督/脚本) 『ブラインド・ブライダル!』(2019・短編作品・監督)
製作のきっかけ
制作当時コロナ禍で、SNS上では自粛警察やコメントの炎上が相次いでいました。確かに誤っている事を正したいという理念は崇高なものかも知れません。ですが感情の行方が『叩けそうな』『悪い事をした』『違う考えを持つ』SNS上の顔も見えない他人に向いた時、人は自分の中の正義感に嵌ってしまいます。元々原案は高校の時に作ってお蔵入りにしていた嘘が見える子の話だったのですが、この子がいわゆる”正義中毒”に陥ったら…と思い、卒業制作で制作する事にしました。
作品の見どころ
嘘が病的なまでに嫌いな少女、廻麻(えま)と嘘をついた事が無い少女、正羅(せいら)2人の姿を通して、嘘という形のない物の輪郭やSNS社会に漂う正義の歪みを描きました。モノローグ、そしてチャプターで進んでいく彼女の数奇な物語は、一体どこへ向かうのか。