企画概要
昨年度の60年代、70年代の8㎜、16㎜フィルム上映による学生映画の特集に続き、今年度はフィルムからデジタルへの転換期であり、学生映画の制作環境が大きく変化した2000年代の学生映画作品を上映します。上映、並びにトークイベントを通し当時の学生映画の空気感を体験すると共に、前日の「東京学生映画祭出身監督特集」、また今年度のコンペティション作品とも合わせて学生映画の時代の流れを感じて頂ければと思います。
上映スケジュール
8/17(土) 18:00~作品上映
20:30~横浜聡子監督・今泉力哉監督によるトーク
上映作品紹介
濱口竜介(Hamaguchi Ryuusuke)
監督プロフィール
1978年、神奈川県生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科の修了制作『PASSION』(08年)が国内外の映画祭に出品され高い評価を得る。近年では、『偶然と想像』(21年)で第71回ベルリン国際映画祭銀熊賞、『ドライブ・マイ・カー』(21年)で第74回カンヌ国際映画祭脚本賞など4冠、第94回アカデミー賞国際長編映画賞を受賞。『悪は存在しない』(23年)で第80回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(審査員グランプリ)、国際批評家連盟賞等を受賞。その他の作品に『ハッピーアワー』(15年)『寝ても覚めても』(18年)など。
コメント
自分が好きだと思うものを(どうすればそれが映るか考えながら)撮ってください。それは学生時分だとしやすいことですが、学生でなくなってもそれをし続ける準備だと思ってやるのがよいと私は思います。
今泉力哉(Imaizumi Rikiya)
監督プロフィール
今泉力哉 / 映画監督
1981年福島県生まれ。さまざまな自主映画制作を経て、2010年『たまの映画』で商業監督デビュー。
主な作品に『サッドティー』(14)、『退屈な日々にさようならを』(17)、『愛がなんだ』(19)、
『あの頃。』(21)、『街の上で』(21)、『かそけきサンカヨウ』(22)、『猫は逃げた』(22)、
『窓辺にて』(22)、『ちひろさん』(23)、『アンダーカレント』(23)など。
最新作『からかい上手の高木さん』が全国公開中。
ドラマ『1122 いいふうふ』がAmazonPrimeVideoにて世界独占配信中。
『ちえみちゃんとこっくんぱっちょ』
映画美学校フィクション・コース第6期高等科修了作品/2005/52min/DV
監督・脚本:横浜聡子
製作:矢野由紀 助監督:長島良江 撮影:平野晋吾 照明:坪岳人 美術:青山あゆみ 録音:天野隆太
出演:鈴木由美子 森下法雄 工藤麻奈美 百田一枝 吉岡睦雄
青森の春は汚い――。雪の舞う北国の街。歯科技工士として働く主人公ののり子。東京に出稼ぎに行っていた父親が自分より若い女性を連れ帰ってくる。そんな中、高校の同級生ちえみから結婚式の招待状が届く。かつては親友だった2人だが、ある事件の後、絶交状態にあった……。
横浜聡子(Yokohama Satoko)
監督プロフィール
映画監督。大学卒業後、映画美学校入学。卒業制作『ちえみちゃんとこっくんぱっちょ』が評価され、大阪のCO2映画祭の支援を受け中編『ジャーマン+雨』を制作、2007年度日本映画監督協会新人賞を受賞。2009年商業映画デビュー作、松山ケンイチ主演『ウルトラミラクルラブストーリー』を制作。2021年映画『いとみち』が公開、多数映画賞を受賞。ディズニープラス配信中作品『季節のない街』(宮藤官九郎脚本)の演出を数話担当。2025年、長編新作が公開予定。
『ちえみちゃんとこっくんぱっちょ』上映に際してのコメント
映画美学校卒業制作として作ったこの19年前の映画を観ると、あの頃は出来たのに今は出来なくなっていることがあるという事実に気づき愕然とする。初めて作った映画ならではの自由がそこにはあり、現在の己の不自由さを思い知らされるのだ。
【チケット詳細】 ・前売り券 学生:700円 / 一般:1400円 ・当日券 学生:1000円 / 一般:1500円