line5東学祭コンペティション部門受賞結果

以下の3名のゲスト審査員より「グランプリ」「準グランプリ」が選出されました。(敬称略)

入江悠(IRIE Yu / 映画監督)
三島有紀子(MISHIMA Yukiko / 映画監督)
熊澤尚人(KUMAZAWA Naoto / 映画監督)

第30回東学祭コンペティション部門
<グランプリ>『中村屋酒店の兄弟』
監督:白磯大知 / 目白大学

東学祭委員作品紹介:絶対の絆である「兄弟」に正々堂々と、あざとさや照れもなく、正面から挑んだ一作。主演・藤原季節の演技が深みと奥行きを与え、人物が映画の中で生きているよう。純度の高い兄弟愛に心を打たれない観客はいないだろう。一般大学からの応募作品という点にも注目だ。

『中村屋酒店の兄弟』

目白大学 / 2019 / 45min
監督:白磯大知(SHIRAISO Daichi)

数年前家を出て一人東京で暮らす和馬は、親が経営していた酒屋を継いだ兄、弘文の元へ帰ってくる。久々に訪れた実家は昔のままの懐かしさの中に確実に変わってしまったものがあった。 刻々と変わっていく今に戸惑い、必死に否定して、生きようとするふたり。

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第30回東学祭コンペティション部門
<準グランプリ>『ツヤ子81歳』
監督:中川楓子 / 武蔵野美術大学

東学祭委員作品紹介:自分の祖母に、「孫」の誠実な眼差しでカメラを向けたドキュメンタリー作品。芸術表現としての映画、に留まらない「祖父母孝行としての映画の在り方」という新境地を切り開いた一作。学生という特別な年代だから撮れた素材の数は、ツヤ子さんと向き合った時間そのものを意味している。

『ツヤ子81歳』

武蔵野美術大学 / 2018 / 45min
監督:中川楓子(NAKAGAWA Fuko)

この作品は81歳になった私のおばあちゃんを一人の女性として掘り下げたドキュメンタリーです。 大学に進学してから会えるのは年に1~2回。気付けばおばあちゃんは80歳を超え途端に“老い”が進み、耳が遠くなったりしたことのなかった入退院を繰り返していました。離れて暮らすおばあちゃんと地元で暮らす予定がない私にとって、一緒に居られるチャンスは今しかないと思いカメラを持って大阪に帰ることにしました。

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第30回東学祭コンペティション部門
<観客賞>『歴史から消えた小野小町』
監督:大野キャンディス真奈 / 東京藝術大学

東学祭委員作品紹介:「人集めが大変で映画作りを妥協する」なんて11役・撮影・編集の大野監督には言い訳にすぎない。この圧倒的な大胆さと熱量が爆発的なエネルギーの源であり、ストレスにも痺れるような興奮にもなりかわる。本作で大事なのは内容ではなく、この「衝撃」そのもの。映画に限らず「創作に対する才能」を感じさせる一作。

『歴史から消えた小野小町』

東京藝術大学 / 2018 / 28min
監督:大野キャンディス真奈(OHNO CANDICE Mana)

小野小町は歴史上では存在しない伝説の人物。そんな小町が一人の少女の前に亡霊となり現れ取り憑かれる。小町の隠された波乱万丈の人生が、彼女の出生の地、秋田県湯沢市を巡り暴かれていく。

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line5短編コンペティション部門受賞結果

以下の2名のゲスト審査員より「グランプリ」「準グランプリ」に加え「審査員員特別賞」が選出されました。(敬称略)

平林勇(HIRABAYASHI Isamu / 映画監督)
大槻貴宏(OHTSUKI Takahiro / ポレポレ東中野支配人・下北沢トリウッド代表)

第30回短編コンペティション部門
<グランプリ>『東京少女』
監督:橋本根大 / 専門学校東京ビジュアルアーツ

東学祭委員作品紹介:映像と言葉を素早く重ねるスタイルだが決してそれだけではない。もっとだらしなく、平凡な女の子の他愛のない最高の独り言。あるいは、平成最後のタイムカプセルかもしれない。『それはまるで人間のように』と合わせて橋本監督の映画作りへのアプローチのふり幅が分かる一作。

『東京少女』

専門学校東京ビジュアルアーツ / 2019 / 9min
監督:橋本根大(HASHIMOTO Nebiro)

もうすぐこの時代が終わるらしい。みんなそう言っているから本当に終わるのだろう。時代が終わるが私は終わらない。時代は変わっても多分私は変わらない。私の今日は私の昨日を「command C」 + 「command V」したみたいなそんな今日だ。

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第30回短編コンペティション部門
<準グランプリ>『がんばれ!よんぺーくん』
監督:しょーた / 東京造形大学大学院

東学祭委員作品紹介:圧倒的破壊力。何度も観てる委員に笑いを堪えるように見させても、4分間を耐えることができない。「これの何がいいの?」「知るかそんなこと、笑った方が負けだ」他のラインナップの評価すらゼロに戻しかねない、今年最強の飛び道具。

『がんばれ!よんぺーくん』

東京造形大学大学院 / 2018 / 4min
監督:しょーた(Shota)

少年よんぺーくんの元気な日々を描いたアニメーション。今回は〝おつかいにいこう!の巻〟です。

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第30回短編コンペティション部門
<観客賞>『Fiction』
監督:北川未来 / 東京学芸大学

東学祭委員作品紹介:どの経緯で撮影されたかは全く分からないけれど、ここに面白さを見出すのはやっぱりハリウッドスタイル。基本を忠実を押さえた上で、15分の中で見事に緊張と緩和を描ききる。余計な脂身が一切なく、完成された・洗練された印象さえ持ってしまうかもしれない。

『Fiction』

東京学芸大学 / 2018 / 15min
監督:北川未来(KITAGAWA Miku)

次の作品のアイディアが浮かばない脚本家、夫の出張中に浮気をする妻とその浮気相手、強盗のプロと今日初めて強盗する男、そして完璧主義の編集者。 6人のストーリーがひょんなことから繋がっていく。

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line5特別賞・受賞結果

特別賞
<TSUTAYA賞>『ティッシュ配りの女の子』
監督:渡邉安悟 / 東京藝術大学大学院

東学祭委員作品紹介:『ドブ川番外地』を経て、更に磨きが掛かった渡邊節。フィットする物語を見つけた彼に敵はナシ。カットバックだけで面白いと思わせられるなんて、クラシック映画でなければあり得ないと思っていた。映画とは、いかにシンプルであるがために複雑なのか、と観終えて溜息が出る一作。

『ティッシュ配りの女の子』

東京藝術大学大学院 / 2018 / 15min
監督:渡邉安悟(WATANABE Asato)

東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻夏期実習作品。 日常に在ったティッシュ配りの女の子の不在を通して、カフェで働く早川栞を軸に、翻弄される人びとのドタバタを描く。

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