34th実写長編・短編部門審査員

 

 清水崇(SHIMIZU Takashi)
プロフィール

ブースタープロジェクト所属。1972年生まれ、群馬県出身。大学で演劇を学び、演劇の師に大橋也寸。脚本の師に石堂淑朗や高橋洋。様々な監督に助監督として師事しながら、映画技術美学講座(現・映画美学校)の1期生として通い、講座で提出した3分映像課題を機に講師だった黒沢清、高橋洋、塩田明彦、青山真治ら監督陣の推薦を受け、98年に関西枠のTV特番のホラー短編で監督デビュー。
原案/脚本/監督のオリジナル企画「呪怨」シリーズ(99~06)はVシネ、劇場版を経てハリウッドリメイク。日本人監督初の全米No.1(興行成績)に。近作に『犬鳴村』(20)、『樹海村』(21)、『牛首村』(22)の 《恐怖の村シリーズ》3部作。ホラー以外に『魔女の宅急便』(14)、『ブルーハーツが聴こえる/少年の詩』(17)、『ホムンクルス』(21)など。“超弦理論”を扱ったプラネタリウムの科学映画『9次元からきた男』(16)が日本科学未来館にて長期上映中。
日本ホラー映画大賞の選考委員長も務め、第一回の大賞受賞作品『みなに幸あれ』の長編版(近日公開予定/監督:下津優太)では総合プロデューサーも担っている。
監督作として、本年は6月16日公開の『忌怪島/きかいじま』に続き、8月11日から『ミンナのウタ』が公開中。

 石井岳龍(ISHII Gakuryu)
プロフィール

1957年福岡市生まれ。映画監督。1976年日本大学芸術学部映画学科入学後、8mm映画『高校大パニック』を監督。熱狂的な支持層を得る。
大学卒業制作の80年『狂い咲きサンダーロード』でジャパニーズ・ニューウェイブの急先鋒となり、カルト作82年『爆裂都市Burst City』の後、長谷川和彦監督率いるディレクターズカンパニーに参加後に監督した84年の『逆噴射家族』は海外でも高い評価を受ける。その後はジャパニーズパンク・ニューウェーブシーンと共闘した数々の音楽ビデオや実験的短編映画製作に打ち込み、94年の『エンジェル・ダスト』で再び長編映画製作にカムバック。
21世紀に向け、ハイパー時代劇『五条霊戦記』、超越型娯楽映画『ELECTRIC DRAGON 80000V』等を創り上げる。2010年、石井聰亙から石井岳龍へと改名。その後も新たな娯楽ジャンル映画の創出を目指し、『生きてるものはいないのか』『シャニダールの花』『ソレダケ that’s it』『蜜のあわれ』『パンク侍、切られて候』を監督。
2006年より神戸芸術工科大学教授(2023年3月退官)。
神戸芸術工科大学の同僚、学生、卒業生らと作り上げた、『自分革命映画闘争』が今年の3月より公開中、9月30日から公開の新作映画『almost people』は、横浜聡子・加藤拓人・守屋文雄監督との共同監督により制作された。現在、安部公房原作の『箱男』を製作中(2024年公開予定)。

学生時代は毎日、創作と生活苦との格闘で無我夢中に過ごしました。多くの友人、知人の尽力に支えられ助けられて乗り切れました。はじめは単なるアイデアや情報の集積でしかない創作に、ホンモノの命を吹き込む為には、その生命力や魅力を成り立たせる為に必要なエネルギーの積み重ねが必須です。必要予算を持たざるモノは、知恵と工夫と集中力がより重要だし、映画創作ではチームワークや時間の使い方をよりクリエイティブに、より重視する必要があります。

座右の銘「伝えたいものをしっかり伝えるために技術と工夫とアイデアが生まれる」「決して諦めない」

 首藤凜(SHUTO Rin)
プロフィール
1995年、東京都出身。 早稲田大学の映画研究会にて映画制作を始める。 自主制作した『また一緒に寝ようね』がぴあフィルムフェスティバル2016で映画ファン賞と審査員特別賞を受賞。 監督・脚本・編集を務めた綿矢りさ原作の『ひらいて』で長編商業デビュー。 『欲しがり奈々ちゃん〜ひとくち、ちょうだい』(城定秀夫監督)やWOWOWオリジナルドラマ『竹内涼真の撮休』『にんげんこわい』等では脚本を担当。

学生時代、応募しては落選し、応募しては落選した、東京学生映画祭。
作品を作り他人に見せるのはいつだって怖い。
それでも応募する方々が沢山いらっしゃって、映画が通っていく場所があることを、素晴らしいなと感じています。
憧れの舞台に呼んでいただけて光栄です。
ぜひ忘れられない映画に出会わせてください。

34thアニメーション部門審査員

 幸洋子(YUKI Yoko)
プロフィール
1987年、愛知県名古屋市生まれ、東京都在住。幼少期から絵を描くことやビデオカメラで遊ぶことが好きだったため、アニメーションに楽しさを見出し、日々感じたことをもとに、様々な画材や素材で作品を制作している。主な作品に、幼少期の曖昧で不思議な記憶をもとに制作した「黄色い気球とばんの先生」、横浜で出会ったおじさんとの一日を描いた「ズドラーストヴィチェ!」、鴻池朋子原作の詩「風の語った昔話」をもとに制作した「夜になった雪のはなし」、ミュージシャン清水煩悩と共同制作したミュージックビデオ「シャラボンボン」、自身の絵日記からインスピレーションを受け制作した最新作「ミニミニポッケの大きな庭で」は第75回ロカルノ映画祭にてプレミア上映後、第40回サンダンス映画祭など国内外の映画祭にて公式セレクション。
学生さんの作品は、本当にやりたい表現を思いっきりやってほしい、周囲の目線や既存の枠に収まらずにどんどん実験していってほしいという気持ちがありますし、自分もそうでありたいと思います。 一体全体どんな作品たちに出会えるのか、とても楽しみにしています!

撮影/菊池修

 原恵一(HARA Keiichi)
プロフィール
1959年7月24日生まれ。『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』(01)で大きな話題を集め、『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』(02)、『河童のクゥと夏休み』(07)で日本での数々の賞を受賞。また、アヌシー国際アニメーション映画祭で受賞した『カラフル』(10)、『百日紅 〜Miss HOKUSAI〜』(15)ほか、『バースデー・ワンダーランド』(19)など、海外でも高い評価を受ける日本を代表するアニメーション監督。2018年には芸術分野で大きな業績を残した人物に贈られる紫綬褒章を受章。アニメーション映画監督としては、高畑勲監督、大友克洋監督に次ぐ史上3人目の快挙を成し遂げた。最新作『かがみの孤城』(22)は大ヒットロングランを記録し、国内外で高い評価を得えている。

今から40年前、1983年に僕はアニメーション制作の現場に入りました。
その頃の日本のアニメーションは、子供向けのものとの偏見が強く、映像の仕事としては底辺の扱いを受けていたし、僕自身、自分の作っているアニメに自信が持てないでいました。
それが今、日本のアニメは国内外で大人気コンテンツとなっています。こんな時代が来るなんて想像もしていませんでした。その今の、アニメ界を観ている皆さんには信じなれないかもしれませんが、現在の日本のアニメ現場は人材不足がマジで切実です。この矛盾する現場へ、どうか足を踏み入れてください。「考えるな、感じろ」とブルース・リーも言ってるぜ。